医学研究における医療情報の利用
■日時: 2006年11月23日(木)午後2時〜
■場所: 早稲田大学14号館807号共同教室
http://www.waseda.jp/jp/campus/nishi_up.html
■参加費: 500円
■講師: 横野 恵 先生(早稲田大学社会科学総合学術院)
■演題: 「医学研究における医療情報の利用」
■講演要旨:
ヒトゲノム研究の進展に伴って,医療情報─なかでも患者の病歴や遺伝情報などの個人情報─を医学研究に利用することの重要性にあらためて注目が集まっている。他方で,個人情報保護のための法律が整備されたこなどによって,医学研究においても個人情報の適正な取扱いが強く要請されるようになった。医学研究における医療情報の利用の枠組みは,個人情報を保護しつつ,医学研究の推進や倫理性の確保に資するものである必要がある。
わが国では,個人情報保護法の全面施行に合わせて医学研究に関する政府の諸指針が改正され,医学研究における個人情報の利用に関するルールがある程度明確化された。しかしながら,指針の適用や解釈をめぐっては混乱も生じており,結果的に研究の円滑な実施が妨げられている側面があることは否定できない。ルールの明確化とともに,研究機関・研究者によるルールの理解と遵守を促すための支援や,ルールの実効性を確保するための仕組みを含め,医療情報利用の枠組みを包括的に検討していく必要があると思われる。 今回では,そうした包括的な枠組みを指針によって実現しようとしているカナダの取り組みを紹介する。