小児がんの子どもの世界 〜病棟という社会における生と死〜
■日時: 2003年3月22日(土)午後2時 〜
■場所: 早稲田大学西早稲田キャンパス14号館804号室
(⇒アクセス図はこちらをご参照ください。)
■講師: 田代 順 先生(臨床心理士・精神保健福祉士)
■演題: 「小児がんの子どもの世界 〜病棟という社会における生と死〜」
■報告要旨:
小児専門の総合病院・血液腫瘍病棟における約1年半に及ぶフィールドワークの結果を考察検討した。白血病などの血液疾患児を中心とする入院患者が、自分の病気や死をどのように認知し、かつその病棟の暗黙のルールや秩序をどのように理解し、また親や医療従事者との関係をどのように形成し、そして死に至るまでも社会的関係をどうして/どのように維持しゆくということを参与観察を通してデータを収集
し、その結果をエスノグラフィ (民族誌) としてまとめて本にしたものをベースに発表を行います。
【講師略歴】(2003年1月現在)
田代 順(たしろ・じゅん)
1956年、東京生まれ。和光大学で心理臨床のあり方や専門家支配について深く考えさせられ、国際基督教大学大学院で本格的に心理臨床研究と実践にたずさわり、成城大学大学院で「死の臨床社会心理学」研究に手を染め、短大教員の時代に小児がん病棟へのフィールドワークを終え、紆余曲折ののち、現在、看護学校や通信制の米国大学日本校などで教えながら、スクールカウンセラーや精神障害者の社会復帰グループのグループワークなどの臨床活動も行っている。臨床心理士、精神保健福祉士。
現在の専攻は、ナラティヴ・アプローチを軸とした心理療法と臨床社会学。
田代 順 著『小児がん病棟の子どもたち ─ 医療人類学の視点から』青弓社 2003年