エンハンスメント論の歴史性と優生主義の現在性
■日時: 2008年8月9日(土) 15:00〜
■場所: 立教大学(池袋校舎)12号館地下第四会議室
http://univ.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/campus.html
■参加費: 500円
■講師: 土屋 敦 先生(東京大学大学院人文社会系研究科特任研究員)
■演題: 「エンハンスメント論の歴史性と優生主義の現在性」
■講演要旨:
本報告では、近年展開されているエンハンスメント論の諸相を歴史的及び現在的視座
双方から検討することにより、同論争が有している歴史性を検証すること、及び同論
争が依拠している論争の台座を相対化することを目的としている。その際、エンハン
スメント論の中でも、特に遺伝学的エンハンスメント(Genetic Enhancement)をめ
ぐる諸議論を分析対象として設定し た上で、そこに孕まれる「先端生命科学技術」
に対する「文化的期待」のあり方自体が有する歴史性を検証することに力点を置く。
また同作業は、近年のエンハンスメント論の中に、現在的な優生主義の諸相を、歴史
的視座から炙り出す作業が含まれる。また、そこには、他ならぬ近年においてエンハ
ンスメント論争が興隆するその同時代的土壌のあり方を、歴史的視座から析出する作
業が含まれる。その意味で本報告は、他ならぬ00年代の現在においてエンハンスメン
ト論が議論の遡上に挙げられ、膨大な数の論考が提示されるその背景と、またそれら
の論争と過去に展開された生命科学技術論争との接合点とを析出するメタ・バイオエ
シックス的な視座からの作業に当てられる。
【講師略歴】
土屋敦(つちや・あつし)
1977年神奈川県生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。東京大学大学院人文社会系研究科社会学専門分野博士課程単位取得退学。2008年4月より東京大学大学院人文社会系研究科グローバルCOE「死生学の展開と組織化」特任研究員。
専門:生命倫理、医療社会学、科学技術社会学
【主要論文】
・「エンハンスメント論争をめぐる見取り図 ―歴史的源泉と現在的争点を中心に
−」(上田昌文・渡部麻衣子編『エンハンスメント論争』社会評論社所有)2008年7
月
・「日本社会における「胎児をめぐる生命主義」の源流」『ソシオロゴス』28号 96
−115頁 2004年8月
・「北東アジアの優生法―日本・韓国・台湾・中国の立法過程比較分析から」『コロ
キウム』(創刊号)2006年5月
・「「不幸な子どもの生まれない運動」と羊水検査の歴史的受容過程―「障害児」抑
制政策(1960年代半ば−1970年代初頭)興隆の社会構造的要因」『生命倫理学研
究』vol.17.no.1(2007年 10月)
・「遺伝子技術に対する社会的受容意識の形成要因―「知識欠如モデル(Deficit
Model)」の検証を中心に)」『ソシオロゴス』vol.32 (2008年)
他。
posted by BSN事務局 at 02:00|
Comment(0)
|
■ 定例研究会「学校めぐり」
|
|